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被災地における角結膜疾患治療

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日本角膜学会から一般の方へお知らせ

被災地における角結膜疾患(目の表面の病気)への対応について

この度の東日本大震災で被災された多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地においてはこれまで受けてこられた眼科診療を受けることができず、不安に思われている方々が多くいらっしゃることと思います。また被災地においては異物が目に入ったり目に怪我をしたりといった目の表面の病気を起こしやすい状態にあるのではないかと思います。そこで、日本角膜学会では、一般の方々向けに、被災地での角結膜疾患への対応の仕方について必要な情報をまとめました。今後、逐次必要な情報を更新してまいります。皆様の一日も早い復興をお祈りしております。

平成23年4月5日 日本角膜学会

 

1.目の表面に怪我をした場合

色々なものが目に当たって表面に傷ができてしまうことがあります。傷ができただけであれば多くの場合、2-3日で痛みや充血はなくなり自然に治ります。しかし傷にばい菌が入ると角膜潰瘍(黒目の中の白い点状の塊)ができ、放置しておくと角膜が融けて最終的に失明してしまう場合もあります。眼痛、異物感、充血がどんどん悪化していくようであれば、抗菌薬の点眼などで治療する必要がありますので、医師に相談して抗菌点眼薬などを処方してもらうようにしてください。

2.目に異物が入った場合

目に粉塵等の異物が入った場合、通常はまばたきをするうちに涙と共に皮膚などに排出されます。眼痛や異物感が続かないようであれば、そのままで様子を見て大丈夫です。しかし、上瞼の裏側に異物が入ってしまうと、そこから動かなくなり、まばたきのたびに角膜(黒目の表面)を擦って傷をつけます。異物が留まるかぎり眼痛、異物感、充血などの症状が続きます。こうした場合は瞼を裏返して異物を除去する必要がありますので、医師、特に眼科医に相談するようにしてください。また異物が外に出た場合も、異物が入った時に黒目に傷をつけている場合があります。こうした場合は、1の項で述べたように、眼痛、異物感、充血がどんどん悪化するようであれば、抗菌薬点眼等の治療が必要ですので、医師、特に眼科医に相談してください。

3.点眼治療中の方

ドライアイ、アレルギー性結膜炎、角膜炎など種々の眼表面の病気で点眼薬の治療を受けてきた方の場合、それほどあわてる必要はありません。ただ、点眼薬をしなくなってしばらくするうちに、以前と同じ症状が出てくる場合は、点眼薬を再開する必要があります。医師に相談してください。

4.角膜移植後の方

角膜移植後の方は、術後の拒絶反応を予防するためのステロイド点眼とばい菌の感染を予防するための抗菌薬点眼を行なっている方が多いと思います。ステロイド点眼薬としてはリンデロン、フルメトロン、サンテゾーン、オドメール、フルオメソロンといった名前の点眼薬があります。これまで使用してきたステロイド点眼薬を急に中止した場合、拒絶反応が起きてくることがあります。拒絶反応を起こさないために、これまで使用してきたステロイド点眼薬をできるだけ中断しないようにしてください。拒絶反応が起きると、視力低下、充血などの症状が起きます。拒絶反応が起きても早めに治療を開始すれば元の状態に戻すことができます。移植をしていない方の目を隠して、移植後の目のみでの見え方をチェックするようにしてください。

5.コンタクレンズをお使いの方

コンタクトレンズをお使いの方が注意すべきことについては、日本コンタクトレンズ学会からのお知らせが、日本眼科学会のホームページ(http://www.nichigan.or.jp/index.jsp)に掲載されています。

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