角膜カンフアランス2022(第46回日本角膜学会総会・第38回日本角膜移植学会)を主催して
金沢大学眼科 病院臨床准教授 小林 顕
2022年2月10日~12日の3日間(オンデマンド配信:3月1日~21日)、石川県立音楽堂にて日本角膜カンファランス2022が開催されました。学会長として無事に終了することができ、ご協力いただいた先生方や、困難な状況のなか現地にご参加いただいた400名近くの先生方、ご視聴していただきました先生方に御礼申し上げます。学会参加登録者も1,100人を超え、多くの演題(178演題)や15の共催セミナーを行うことができました。
一つ目のシンポジウム「角膜ジストロフィ研究と治療の最前線」では、Albert Jun教授による遺伝子治療についての基調講演が行われ、辻川元一教授、臼井智彦教授、大家義則先生、西野翼先生らから、最先端の研究についてご発表がありました。また、二つ目のシンポジウム「Keratoplasty 2022」はすべて英語で行われ、Bennie Jeng教授、Nidhi Gupta教授らの基調講演に続き、林孝彦先生、門田遊教授、横川英明先生、島﨑潤教授らが、最新の角膜移植について議論しました。さらに、Sadeer Hannush教授は角膜移植トリプル手術について、Scheffer Tseng教授は羊膜の基質について、Andrew Huang 教授は角膜の神経支配について、Björn Bachmann教授はDMEKについて、Charles McGhee教授は円錐角膜について、それぞれ素晴らしい講演をしていただきました。3日目はすべての講演を英語で行うEnglish sessionとしましたが、「国際学会の雰囲気を久々に感じることができた」「角膜カンファランスの恒例にできないか?」との感想も寄せられ、嬉しく思っています。反響が大きかった眞鍋禮三名誉教授追悼シンポジウム「Back to the Basic, Look to the Future」では、西田幸二教授、木下茂教授、大橋裕一名誉教授、西田輝夫名誉教授、澤充名誉教授らにより、角膜カンファランスの生みの親である眞鍋先生の功績を振り返るとともに、若き角膜研究者への熱いメッセージが届けられ、私も大変感銘を受けました。なお、今年の学術奨励賞は東京大学の小野喬先生が受賞され、これまでの研究の成果について受賞講演が行われました。
学会後には、パイプオルガンコンサートや世良公則さんによるアコースティックライブコンサートが開催され、素晴らしいパフォーマンスを楽しんでいただけたことと存じます。
最後になりますが、このような貴重な機会を与えてくださいました学会の理事、評議員、会員の皆様方に心より感謝申し上げます。