理事長挨拶
日本角膜学会理事長拝命の御挨拶

このたび2025年3月より、日本角膜学会の理事長を拝命いたしました。本学会は年齢や所属施設を超えて自由に交流し、議論できることが特徴です。そのような土壌の中で角膜に関わる研究者同士が切磋琢磨し、国際的にも評価される素晴らしい成果を挙げてきました。2年間という短い期間ですが、本学会をさらに充実させていきたいと思います。
角膜疾患の面白さは、治療が奏功すると患者さんが「見える」ようになること、病変を直視下に観察できて日々の変化が手に取るようにわかること、点眼・内服から手術まで治療手段が多種多様であることなど、挙げればキリがありません。
角膜分野は新たな研究を取り入れやすく、研究を臨床に繋ぎやすいという特徴があります。培養細胞、動物モデル、患者検体を用いた研究、臨床研究など、さまざまな手法で疾患の病態を探り、新しい治療法を模索することができます。再生医療の実用化において、日本の角膜分野が世界の最先端に位置づけられることは特筆すべきことと言えます。
一方、日本のアイバンクは約60年の歴史を有しますが、国内ドナーは決して多いとは言えません。眼球に限らず、移植医療全般において日本は世界より遅れています。誰かの役に立ちたいと思って下さるドナーのお気持ちをしっかりと患者さんに繋ぐことは、医師、医療関係者の大切な役割といえるでしょう。
医療全体を見渡しながら、他科、他分野とも連携し、本学会のさらなる発展を目指します。よろしくお願い申し上げます。