2024年総会終了のご挨拶
角膜カンファランス2024を開催しました
藤田医科大学臨床再生医学教室 榛村重人
この度、2024年2月8日~2月10日までの3日間にわたり、角膜カンファランス2024の会長を務めさせていただきました。私は現在、藤田医科大学医学部臨床再生医学の主任教授を拝命しており、多くの領域における再生医療に携わっています。改めて角膜領域の進歩性を実感しており、角膜の再生医療研究には40年以上の歴史があることに誇りを感じております。本年のカンファランスでは、最新の研究成果と臨床応用について多くの知見が共有されました。参加者は、角膜をこよなく愛する臨床家や研究者であり、活発な議論が交わされるとともに、次世代の医療技術への期待が高まる一幕もありました。
ご存知のように、日本の角膜研究は国際的にも高く評価されており、この度の学会では特に注目を集めました。日本と米国角膜学会(The Cornea Society)が共同でシンポジウムを開催し、外科的治療から再生医療、遺伝子治療へと進化する角膜療法の歴史と未来に焦点を当てました。このシンポジウムは、英語で進行される国際的なセッションとして計画され、米国と日本の研究者が一堂に会しました。角膜はその透明性と体表面に位置している特性から、再生医療の適用が比較的容易な組織の一つとされています。角膜を対象とした再生医療等製品のいくつかはすでに保険収載されています。遺伝子治療に関しても、角膜の特性を活かし、直接眼に投与することが可能です。これにより、治療が全身に及ぼす影響を最小限に抑えることができます。
本学会は約40年の歴史をもちますが、今回が初めての国際共催という大きな挑戦でした。また、会場は羽田空港近くに設定されたため、参加者からはアクセスの便利さに対して非常に好評を得ました。特に海外からの参加者のなかには、短期間の滞在で参加し、シンポジウム後に直ちに帰国するという方もいらっしゃいました。このようにして時間をさいて参加してくださった海外の研究者の方々には、心からの感謝の意を表します。彼らの貢献により、シンポジウムは多角的な視点での有意義な議論が展開され、参加者にとって学びの多い場となりました。次回もこのような国際的な交流の場を設け、さらなる研究の発展を目指していく所存です。
私は会長として、この重要な会議の運営にあたり、多くの支援とご協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。角膜カンファランスがこれからも更なる発展を遂げ、角膜医療の未来に貢献していくことを願っております。