役員からのメッセージ
宮崎 大(鳥取大学眼科教授)
この度、日本角膜学会の理事(研究)を拝命いたしました。長年にわたり、本学会は角膜および眼表面疾患の研究を支える中心的な存在として、さまざまな研究プロジェクトを推進してまいりました。その中でも、角膜の人工知能(AI)解析や角膜移植全国調査は、最新の技術と多施設の連携を活かした先駆的な取り組みです。
近年、AI技術は飛躍的に進化し、従来の画像解析の枠を超え、より高度な役割を果たすようになっています。AIは単なるツールではなく、多様なエージェントとして機能し、専門家の知見を統合しながら、複雑なデータ解析や診断支援、治療予測の分野でも大きな可能性を持つようになりました。これにより、角膜研究の効率化が進み、これまでにないスピードで新しい知見が蓄積されることが期待されます。さらに、臨床研究にとどまらず、基礎研究の分野においても、AIの活用が新たな発見の促進につながると考えています。

神谷 和孝(北里大学医療衛生学部視覚生理学)
この度、日本角膜学会の理事(会計)を担当させていただくことになりました。いろいろ不慣れな点も多いかと思いますが、会員の先生方におかれましてはどうぞよろしくお願いいたします。あまり記憶が定かではないのですが、おそらく入局して初めての自分の学会発表デビューも角膜カンファランスのポスター発表であったように思います。多くの先生方から叱咤激励をいただいて大変刺激を受けた記憶があり、自分の人生の転機の一つとなったように感じています。その後も角膜カンファランスでは、角膜に関する最新情報に触れることで多くの気付きを与えてくれたように思います。今後御世話になった学会に微力ながらサポートできればと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【理事:渉外・社会保険】堀 裕一(東邦大学)
このたび、理事を拝命いたしました堀 裕一です。渉外・社会保険を担当いたします。外園千恵新理事長のもと、日本角膜学会の発展のために奮闘努力していく所存です。
昨今、眼科医療をとりまく経済状況は明るいとはいえません。角膜疾患に関わる検査や手術の技術点数の評価も不十分でありますし、角膜移植に関係する点数についても改善の余地があり、このままでは日本の角膜移植やアイバンクシステムが立ち行かなくなる可能性もあります。これからも学会全体で社会保険に関する問題に取り組んでいく必要があります。現在まで日本眼科学会の社会保険委員および日本角膜学会の外保連実務委員を拝命しております関係で社会保険や保険収載に関わる仕事に携わってまいりました。まだまだ勉強中でございますが、これまでの経験や知識を生かして、日本角膜学会のために、ひいては患者様のために頑張っていきたいと思います。

令和8年(2026年)には診療報酬改定がございます。国民の皆様に適切な医療が提供できるように日本角膜学会としても日々前進する必要があると考えます。諸先輩方が築き上げられた自由闊達な日本角膜学会の伝統を引き継ぎながら、外園理事長をはじめ、理事の皆さんで全力を尽くしていきたいと思います。会員の皆様、お気づきの点がございましたらご遠慮なくご指導、ご助言を頂けれましたら幸いです。何卒宜しくお願い致します。
【理事:記録・HP】臼井 智彦
(国際医療福祉大学 眼科代表教授)
この度日本角膜学会の理事(記録・HP)を拝命しました。前回の任期ではHPを改装し、年会費や入会手続きをHPから行えるようにしました。現在会員の80%以上の方がHPから会費ペイを使って年会費の支払いをしていただいております。以前はこの作業を角膜学会の事務が手作業でやってくださっていました。負担軽減の意味において、引き続きご協力いただければと思います。今期は更なるHPの充実を目指し、特に国際化の観点から英語ページの改装を目標にしていきます。また評議員や理事選挙も一部マークシートにするなどの改革を行ってまいりましたが、今後は安全なweb投票を行えるようシステム作りを行う所存です。理事や評議員の先生方、会員の皆様のお力を借り、これらのことを進めて参りますので、どうぞご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

【理事:総務・アイバンク】山口 剛史
(東京歯科大学市川総合病院 教授)
日本角膜学会の理事(総務・アイバンク)を拝命しました。2年前に東京歯科大学市川総合病院眼科教授と角膜センター・アイバンクのセンター長を引き継ぎ、角膜の診療・教育・研究に加えて、アイバンク活動に従事してきました。2013年は年間90眼の提供があった当アイバンクですが、環境変化やコロナ禍の影響もありセンター長を引き継いだ2022年には年間18眼まで落ち込んでおりました。幸い、優秀なスタッフに恵まれ、2023年は36眼、2024年には70眼と成長の軌道に乗せることができました。

大変微力ですが、総務・アイバンク担当理事として、「国内アイバンクの復活させることで社会貢献をする」という明確な目標のもと、①現場のスタッフを大切にする、②未来のアイバンクを背負う若い眼科医の育成し世代交代を促進する、③海外アイバンクから学び世界基準のアイバンクシステムを創る、を行っていきたいと思っています。アイバンク活動は角膜失明患者を救う、社会の大切な基盤のひとつで、眼科医の重要な役割です。微力ですが、会員の皆様のお力を借り、より良いアイバンクを構築していきたいと思っておりますので、どうぞご指導のほどお願い申し上げます。
私自身の研究キャリアも、角膜および前眼部疾患の研究から始まりました。日本角膜学会は、私を育ててくれた大切な学術コミュニティであり、この場で培った知識や経験が現在の研究活動の礎となっています。その恩返しの意味も込めて、今後はAI技術を活用した新たな研究基盤の整備や、多施設共同研究の推進に尽力し、学会全体の研究環境をさらに発展させることに貢献できればと考えております。
今後も、角膜学の進歩に寄与できるよう、学会の皆様とともに力を合わせてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。