理事長挨拶

日本角膜学会理事長就任にあたって

理事長 大鹿哲郎(筑波大学)

 日本角膜学会は、40年の歴史をもち、1,200名以上の会員を有する学会です。角膜や結膜は眼科医が細隙灯顕微鏡で最初に見る部位であり、角結膜疾患は眼科医にとって非常に馴染みの深いものです。感染症やアレルギー疾患、コンタクトレンズ診療は、多くの眼科医にとって日常診療で最も頻繁に接するものでしょう。すなわち角膜関連疾患は、眼科学を始める医師にとって最初の扉となるようなものだといえます。

 本学会はその名前に「角膜」とありますが、我々が研究および臨床の対象としているのは角膜だけではなく、結膜や涙液層などのOcular Surface、涙腺やマイボーム腺などの附属器も含みます。従って扱う分野は思いのほか広く、感染症、アレルギー、変性疾患、ドライアイ、角膜形状と屈折、コンタクトレンズ、角膜移植手術、羊膜移植手術、屈折矯正手術、涙道疾患、血管新生、免疫、再生医学など多岐にわたります。また、角膜関連は眼科サブスペシャリティの中でも内科的要素と外科的要素が非常にバランスよく結合している分野です。角膜関連疾患は眼科学への扉と述べましたが、その扉(窓口)はこのようにたくさん、そして広く開かれています。少しでも多くの先生方、とくに若い先生方に角膜関連疾患の臨床と研究に興味を持って頂けるよう、学会としてアピールしていきたいと思います。

 我が国の角膜研究および臨床のレベルは歴史的に非常に高く、世界に向かって幅広く情報を発信しています。しかしながら国際交流ということになると、一部の先生方の努力に留まっており、質量共にさらに発展させる必要があると感じています。近年、アジアの角膜研究は非常に盛んになり、クオリティも向上してきています。かつては日本がアジアの角膜研究を圧倒的にリードしていましたが、近年では分野によってはアジアの他国の後塵を拝することもあります。日本の角膜学会は世界最大の会員数をもち、研究にも臨床にもこれまでに重層的な蓄積を有しています。その資産を生かし、また未来に向かってあらたに種をまいて、さらに活動の幅を広め、かつ高めていきたいと思います。

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